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優れた音楽が私達に与える深い想いや感動には大きな力があり、命の糧、生きる勇気ともなるのだということを思わずにはいられませんでした。
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音楽を聴いている間、私達はしばし現実を忘れ、悲しみや痛みから少し遠ざかることができるのです。音に耳を傾けているとき、私達の心はどこか別の場所へ運ばれているのです。それは現実逃避などではなく、そういう時間を持つことによって、また前向きにものを考え、目の前の事態に対処してゆく力も生まれてくるということです。
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周りで数々の演奏会が「自粛」されキャンセルされ始めたとき、これはおかしい、と私は強く感じました。
もちろん、音楽は食べ物や毛布の代わりにはなりません。しかし、人間の「生」を支えるものが何らかの意味での「精神」であるなら、それを支える力にはなるはずです。
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音楽家は弾く以外の能のない人種ではありますが、単に「音」を売っているのではなく、大袈裟に言えば夢や憧れ、空想、考え、そして希望を売っていると思っています。夢や希望は「普通に戻るまで要らない」とは言えないもの、むしろその逆です。
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