2007年11月20日

フランスには順応主義を忌避するその国民性とあいまって、「問題に行き詰ったときには事態を揺り動かすことで新しい流れをつくる」という精神が脈々と受け継がれているように思える。

 

「エリゼ宮の食卓」P231

フランスが経済力では日本の後塵を拝しながら、国際政治では日本と比較にならないほどの発言力を保持している理由は3つある。

  1. 国連安全保障理事会5カ国の一角であること
  2. 核兵器保有国であること
  3. 首脳外交を軸とした外交力

フランス大統領は国防と外交を専管事項とし、内政を担当する首相と明確に棲み分けている。

このため大統領は内政に煩わされることなく、積極的な首脳外交を展開し、「フランスの考えと存在を、国際社会により広く知らしめる」ことを可能にしているのである。

ヨーロッパの宮廷外交で外交術を磨いてきた伝統もあるが、何かあるすぐさま内政に足をとられる日本の首相と比べ、外交力で差が出るのは明らかだ。

 

「エリゼ宮の食卓」p221