知の行為者としての倫理、「反証可能性」
考察を導く軸
- 主体と他者との問題
- 認識から実践へのプロセス
- 開かれたコミュニケーションと創造性
学問における普遍性
- 誰にとってもそうである原理
- そしてその論証
「反証可能性」 falsifiability
- どのような知の言説も、再検討、反論反駁、更新できる可能性
- 反証可能性が常に開かれていなければならない
普遍性とはあらかじめ存在はしない
到達し、獲得することが目指すべき地平
知の行為
普遍性の方へ自らの言語を開いていく仕方や、作法を身に付ける事が肝要
知識をどれだけ仕入れても、普遍性の方へ開かれた表現の手続きに結びついていなkれば知の行為とはならない
知の行為の主体となる訓練が必要
知の行為の主体
- 普遍性の基準に見合った主体
- 形式的、技術的に仮設され、借定され、それ故に学習される主体
学問的な言説、科学的な言語の習得によって、この主体に自身を置く方法を身に付ける
文科系の学問は、純粋な形式言語ではなく、自然言語の中に根付いている
普遍的な形式化が究極的に理論的か
——否、
「不確定性原理」ハイゼンベルク
「不完全性定理」ゲーデル を参照せよ
形式化による普遍性の限界「不完全性定理」ゲーデル を参照せよ
学問の行為は「ひと」と「ひと」との間の相互関係である
固有の文化的、歴史的な特異性を背負った不透明なもの
固有の主体性から出発し、自らの行為を普遍性の方へと開いていくプロセスに自覚的でなければならない
- 自然科学を含む人間の文化的営みの在り方に根本的な問いを投げかける
- 新しいプロセスを創造的に生み出す
- 普遍性へ向かうプロセスは、本質的に想像的な多様性を許容する
「知の行為」とは
知りたいという好奇心を越え、一般化可能な問題が立ち現れた時、「人間とは何か」に収斂していく中で問題意識となり、知の行為がスタートする
問題構成の構造
a. 一般的な問い
自分は今、何を問おうとしているのか
b. 研究対象
材料は何か。対象の固有性、特異性と一般性をいかに結び付けるのか
c. 関連対象
何との関連から特異性、一般性を導き出すのか
d. 方法論
一般的な方向へ切り開いていく
学問の行為による記述は、一定の知的な共同体にとっての真理に過ぎない
決してそれが無前提的な唯一の真理ではない
自明か否か、
正当か否か、
一定の文化の体系に因るものに過ぎず、絶対的な普遍性など主張できない
真理はそれを見なす主体との相関関係で捉える。主体の数だけ真理がある
文化や時代を超越して他者と会い、真理について対話する
interest
(利益、権利、関心、所有権)
- それぞれの主体が持っている固有の力、社会を動かす力
- 自身の interest に動機付けられた自己を他者の方へ開く事他者の interest との調停へ向かう事が重要
対話を導く原理
- 公正
- 創造性