論旨の展開をスムーズに読ませるには、ひとつの論旨で九〇〇~千文字程度が望ましい。ひとつの段落を百五、六十文字の間で生めた文章が一番読みやすい。
大隈秀夫 「文章の実習」
聴いたことも、考え、そしてまとめないかぎり、シェンツァ(サイエンス)とはならない(マキアヴェッリ) 思考、知識は第一次的である。その同種を集め、整理し、相互に関連づけると第二次的な思考、情報が生まれる。これをさらに同種のものの間で昇華させると第三次的となる(外山滋比古) などなど考えつつ、読書メモ。
されば言語は思想を伝達する機関であると同時に、思想に一つの形態を与える、纏まりをつける、という働きをもっております。p3
思想を一定の型に入れてしまうという欠点があります。p4
言語は万能なものではなきこと、その働きは不自由であり、時には有害なものであることを、忘れてはならないのであります。p4
もっとも実用的に書くということが、即ち芸術的手腕を要するところなので、これがなかなか容易に出来る業ではないのであります、p14
実用文においても、こういう技巧があればあった方がよいのであります。
口語体の大いなる欠点は表現法の自由に釣られて長たらしくなり、放漫に陥りやすいことでありまして、p20
文章のコツ、即ち人に「分からせる」ように書く秘訣は、言葉や文字で表現できることと出出来ないことの限界を知り、その限界内にとどまることが第一 p20
口語文といえ、文章の音楽的効果と視覚的効果とを全然無視してよいはずはありません。なぜなら人に「分からせる」ためには、文字の形とか音の調子とか言うことも、あづかって力があるからであります。読者自身はあるいはそれらの関係を意識しないで読んでいるかもしれません。しかしながら、眼や耳からくる感覚的な快さが、いかに理解を助けるものであるかと言うことは、名文家は皆よく知っているのであります。p25
われわれは読者の眼と耳とに訴えるあらゆる要素を利用して、表現の不足を補って差し支えない。p26
即ち、真に「分からせるように」書くためには「記憶させるように」書くことが必要なのであります。
文章をつづる場合に、先ずその文句を実際に声に出して暗誦し、それがすらすらと言えるかどうかを試してみることが必要。p33
この読本で取り扱うのは、専門の学術的な文章ではなくて、われらが日常眼に触れるところの、一般的、実用的な文章でありますp65
文法的に正確なのが、必ずしも名文ではない、だから、文法には囚われるな。全体、日本語には、西洋語にあるようなむづかしい文法と言うものはありません。p67
文法のためにおかれた煩瑣な言葉を省くことに努め、国文の持つ簡素な形式に還元するように心がけるのが、名文を書く秘訣なのであります。p67
感覚を研くにはどうすればよいのかと言うと、
出来るだけ多くのものを、繰り返して読むこと が第一であります。次に
実際に自分で作ってみること が第二であります。p86
文章の要素を
と、こう六つに分けることにいたします。p98
『文章読本』谷崎潤一郎 初版昭和35年
Title | Length (books) | Most common attribution | Content |
---|---|---|---|
Cypria | 11 | Stasinus | the events leading up to the Trojan War and the first nine years of the conflict, especially the Judgement of Paris |
Iliad | 24 | Homer | Achilleus' rage against first king Agamemnon and then the Trojan prince Hector, ending with Achilleus killing Hector in revenge for the death of Patroclus |
Aethiopis | 5 | Arctinus | the arrival of the Trojan allies, Penthesileia the Amazon and Memnon; their deaths at Achilleus' hands in revenge for the death of Antilochus; Achilleus' own death |
Little Iliad | 4 | Lesches | events after Achilles' death, including the building of the Trojan Horse |
Iliou persis ("Sack of Troy") | 2 | Arctinus | the destruction of Troy by the Greeks |
Nostoi ("returns") | 5 | Agias or Eumelus | the return home of the Greek force and the events contingent upon their arrival, concluding with the returns of Agamemnon and Menelaus |
Odyssey | 24 | Homer | the end of Odysseus' voyage home and his vengeance on his wife Penelope's suitors, who have devoured his property in his absence |
Telegony | 2 | Eugammon | Odysseus' voyage to Thesprotia and return to Ithaca, and death at the hands of an illegitimate son Telegonus |