——神に願いたまえ、きみが常に勝者の側にあることを。なぜなら、勝者の側にあれば、きみにはなんの功績がなくてもむくわれるものだが、反対に敗者の側に立ってしまうと、いかに功績があっても避難されないではすまないからである。——
苦笑するしかないが、これが現実なのだろう。
——宗教を敵にまわしてはならない。また、神と関係することすべては、敵にまわさないように心がけるべきである。なぜなら、この対象たるや、馬鹿者どもの頭に、あまりにも協力な影響力をもっているからである。——
ごもっとも!
——権力と名誉は、誰もが求めるものである。なぜなら、普通は華やかな面のみが眼につくからで、権力や名誉がもたらす苦労や不快な面はかくれているからだ。しかし、もしも両面とも陽の下に明らかになるとすれば、権力や名誉を求める理由は、ひとつを残せば失われてしまうであろう。そのひとつというのは敬意を払われれば払われるだけ、人は、神に近い存在となったように思えることである。
男に生まれて、誰が神に似ることを望まない者がいようか。——
『覚え書』(リコルディ) グイッチャルディーニが家族のために書き残した
「わが友マキアヴェッリ」P527