誰でも複雑な現象を眼にすると、つい、それをコントロールするものの存在を思い浮かべてしまう。たとえばV字になって飛ぶ鳥の群れを見ると、先頭の鳥が主導権を握っていて、残りはただ従っているのだと思うのが普通だろう。しかし、事実はそうではない。秩序正しい隊形は、単純な調和規則に従って敏感に反応するプロセッサの、個々の振る舞いの総和として現れるだけで、指揮をとる個体がいるわけではないのだ。
『ビーイング・デジタル』p220
ばらばらに存在する部分どうしが活発に通信を行う形の方が柔軟性があり、生き延びる見込みも大きい。より長く存続し、時間とともに進化していくのは分散構造の方なのだ。
同 p221